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『赤毛のアン』と不登校

私とアンの出会いは小学生の時に、世界文学全集で。高校生の時、お小遣いで文庫版を買い、『アンの青春』〜『アンの娘リラ』まで続くシリーズを1冊ずつ買い揃え、大学進学で実家を離れる時しっかり持っていきました。
その後、結婚して夫の転勤で何度も引越しするたびに段ボール箱に詰められ、また本棚に並び…
これまで何回読んだのか…読み返した本ナンバーワンであることは間違いありません。

最近、久しぶりに『赤毛のアン』を読み返しました。
子どもの頃に読んだ時には読み流していただろう所に、はっとしました。

アンは、学校の先生から理不尽な扱いを受け、「もう学校には戻らない」宣言をします。
そこでマリラは、アンの決意をみて「これを説き伏せるのは容易ではない」と何も言わずに、友人のリンド夫人に相談します。

リンド夫人は
「あの子が自分から言いだすまでは二度と学校ということを口に出さないこと。もし今すぐ行かせようとするなら、これまで以上にやっかいなことにならないとも限りませんよ。〜中略〜 学校へ行かないったって、あの子はたいして損もしませんよ。」
と進言するのです。

この時アンは11歳くらい。
子どもの堅い決意を汲み取って、何も言わないで見守る大人たち。
そうそう、これが大事なこと。

子どもの現状を冷静に見て、子どもの気持ちを一番に考えているのです。
時代が違う、学校システムが違う、ということはありますが、子どもに向き合う上では現代でも通用する心の持ち方だと思います。

こんなふうに『赤毛のアン』を読むとは…
若かりし頃には思ってもみなかったことです。
何がどうなるかわからないもんだなあ、歳をとるのはおもしろいものです。
『赤毛のアン』と不登校_d0378078_23141350.jpeg

アンの空想癖は今読んでも本当に楽しいので、私の心もまだまだ錆びついてはいないかな。

しょこトラ 水元晶子






by sacfa2018 | 2019-05-21 00:05 | 不登校 | Comments(0)

不登校当事者に伴走するボランティア「咲くふぁ福岡」です。当事者の話す会「アガパンサスカフェ」もやってます。


by sacfa2018
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