上京中。
大学の長い春休みに入った娘。帰省前に掃除をきっちりしておきたいというので、微力ながらお手伝いを、ということで、中二週間での東京だ。昨日から体調を崩し、熱があるという娘。部屋が汚くてごめんね、というのだが、いやいや全然きれいですけど。なんならうちの猫毛だらけのリビングの方がよっぽど汚れてますけどね。でもまあ、この手の問題は主観が大事。本人が汚いと思えば、周囲がいくらきれいだ、かたづいてる、などと言っても無駄なのだ。
持参したスコーンを娘のうちにあるルイボスティーで食べる。ベッドで休んでいた娘が少し元気になった。寝具を洗いたい、という娘。コインランドリーもわりと近くにあるらしい。大きなバッグに毛布やシーツやカバーを詰めて持って行く。洗濯、乾燥で50分。二人で話しながら待っているとあっという間だ。ほかほか、ふかふかに仕上がった寝具は気持ちいい。
雨足が強まってきたので、外食はあきらめ、出前を取る。中華はまずハズレがないと娘。さっさと注文を決めて連絡。手際がいい。支払いは私。こんなところ、要領がいい。食べ切れないかと思ったが、意外に大丈夫。ほぼ完食し、眠くなった娘は入浴後、就寝。夕方まで寝ていたはずなのに、若いってすごいなあ。眠るのも実は体力を使うのだ。
娘の寝息を聞きながら、洗濯機を回し、干す。明日の帰省の準備をしておく。部屋の掃除も済ませておく。
なんでそんなに過保護なの?
自分でしないといつまでも自立できないよ。
さんざん言われた言葉である。たしかにそうだ。なんでも自分で、努力して、苦労して、そうして身につくことはある。でもたまには親を頼ってもいいではないか。毎日緊張して、頑張っているんだから、甘えられる時には甘えればいい。そのうち、みんな大人になるのだから。
さなトラ 藤野早苗