似たもの同士【17】〜アンパンマンじゃない!〜

次男幼稚園年少組の時のこと。
幼稚園の運動会というのは、たいてい年少さんは赤ちゃん扱いです。
この時の年少組のお遊戯は、「みんなでアンパンマンになって遊ぼう」というものでした。
お家から持ってきた風呂敷を首に巻いてマントにします。

思った通り、彼はマントを頑として拒否しました。
練習で他の子どもたちはみんな楽しそうにアンパンマンになりきってはしゃぐ中、風呂敷を持った先生から逃げ回っていたようです。

運動会当日、先生は申し訳なさそうに「いつ気が変わってもいいように私が風呂敷を握って出ます」と言われました。
私は彼が集団行動を拒否する姿には慣れっこになっていたので、「いえ、先生マントはどうでもいいですから…みんなと同じ空間にいればそれでいいですよ」と答えました。
いよいよ年少組の出番です。
なんと!サプライズでアンパンマン登場!(先生の誰かが扮していたのですねもちろん)
子どもたちは大盛り上がりです。

次男はどうしていたかというと、集団のそばに立っていたのが、後ずさりして1人離れたところに立ちました。
あらあら、せっかくアンパンマンが来たのにますます離れてしまった…

終わってから彼に、
「アンパンマン出てきたねえ」と言ってみると
「あれはアンパンマンじゃない。首があった。」
との答え。

確かにね、アンパンマンは肩の上にアンパンの顔が乗ってるもんねえ。
よく見てるなあと私はつくづく彼の観察眼に感心したのでした。
風呂敷だってアンパンマンのマントじゃなくて風呂敷だからね。

彼にとって、アンパンマンはアンパンマンなのでした。
なれと言われてもなれないわけだったのでした。
首の見えているものはアンパンマンではないのでした。

今では、そういう彼のものの見方が凸凹のある子の特質だとわかりますが、当時はおもしろい子だなあと思っていました。
それが間違っていたとは思いません。
私は楽しく彼の言動を見つめていたので。
その頃は、彼の全てを受け入れていたと思うので。
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それなのに中学で私が変わってしまったのでした…
しょこトラ 水元晶子

【似たもの同士】1.〜
15.




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by sacfa2018 | 2018-11-08 00:07 | 回想記 | Comments(0)

不登校問題当事者であった経験からその時のこと、またこれからのことを日々綴っていきたいと思います。


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