昨夕のrkbニュースで久留米大学医療センターに開設された、全国初の「フクロウ型症候群専門外来(フクロウ型外来)」が紹介されていた。
フクロウ型はヒバリ型に対する呼称で、早寝早起きの生活パターンをヒバリ型、遅寝遅寝遅起きをフクロウ型と呼び、フクロウ型は生産性が低いと考えられている。これは、漢方医の山本巖氏が約40年前に提唱したもの。今回、久留米大学医療センターの恵紙英昭医師がフクロウ型体質改善の治療に取り組んでいることが報道されていた。
このフクロウ型、西洋医学では鬱病に分類されてしまうことも多く、抗精神薬を処方されるのみ、ということも珍しくない。そこで、恵紙医師は西洋医学に漢方医学を取り入れて、苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)という漢方薬を処方し、治療に取り組んでいる。
ある女子高生は、このフクロウ型体質のため、朝起きることが難しく、小中不登校となったが、この漢方薬治療を4カ月続けたところ、症状が改善されたそうだ。今は学校を休むことも少なくなり、快適に過ごしているという。
このフクロウ型、いわゆる「起立性調節障害」である。不登校の症状が出始めた時、真っ先に考えるのがこのこと。
「うちの子は体質的に朝が弱い。たがら起きられない。起きられさえすれば、ちゃんと登校できるのに…。」
たしかにそういう子どももいる。この番組に登場していたお嬢さんはそうなのだろう。朝しっかり起きられるようになって、前日の疲れが残らないで学校に行けて嬉しい、と語る様子はすがすがしくて、見ている方が嬉しくなった。
でも、不登校の子どもたちがみんなこのパターンかというとそうではない。むしろ、順番は逆で、学校に行きたくない何かがあるから、生活時間帯を微妙にずらしているのである。多分、本人も無意識のうちに。
この番組の情報はとてもありがたい。治療に困っていた人にはまさに朗報だ。しかし、こと不登校に関しては、その原因を全てフクロウ型体質に還元するのは危険である。
さあ、治療、ではなく、起き上がれないくらい疲れているなら。まず休ませる。心の底から休ませる。
フクロウは知恵の神の化身。人知の及ばない、深い思索に疲れてしまっているのかも。早起きも遅起きも、1日は24時間。自分に合った時間の使い方ができればいい。そのくらいの緩さがあってもいいのかな、フクロウ先生。
さなトラ 藤野早苗
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(画像、お借りしています。)
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