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恐竜の夏

2001年、娘が3歳になったばかりの頃、地元の博物館で、「掘りたて恐竜展」というユニークなタイトルの展覧会が開催された。2000年に中国四川省石碑で発掘された1億9000万年前の原始的な新種恐竜の化石をメインにした展覧会だ。

娘はあまり喜ばないだろうなあと思いながらも、どうしても見たかった私は夫も巻き込んで、3人で博物館に行った。当時から娘はこだわりが強く、好き嫌いがはっきりしていた。今回も途中で飽きたら、夫に連れ出してもらおうと思っていたのだ。

薄暗い館内に展示されている化石標本や、それをもとに組み立てた骨格標本。復元予想図には、カラフルな体色が描かれている。まるでジュラ紀の森に迷い込んだようなその空間を誰より堪能したのは娘。恐竜、その未知なるものに、娘は一目で魅了された。化石の一つ一つ、レプリカの一体一体の前に立ち止まり、観察する。長い時間をかけて館内を巡り、ようやく出口に辿り着くと、そこには「化石掘り体験コーナー」。もちろん参加。得意の過集中で、時間を忘れて掘りまくる3歳女子。博物館をくるっと一回りして帰るつもりが、何と滞在時間4時間。どこに連れて行ってもすぐ帰りたがる娘が、である。帰りになぜだか図録をいただいた。
恐竜の夏_d0378078_01121049.jpeg
もちろん子ども用ではない。けれど、帰宅してすぐ、娘はこの図録を開き、私に恐竜の名前を読ませ、何度も繰り返し眺めていた。

外出がはばかられるような暑い夏の午後、図録を開き、そして(何度も見た)恐竜映画や、特集番組の録画を一緒に見る。娘の解説を聞くのが私の役回り。だんだん解説がグレードアップしてゆくのがわかる。いつしか、私は娘に教わる立場になっていた。3歳児、おそるべし。

それ日から現在に至るまで、娘の恐竜好きは変わらない。まさに「3つ児の魂…」である。多分、現在公開中の「ジュラシックワールド 炎の帝国」も観たんだろうなあ。

恐竜といえば、夏。わが家では、恐竜は夏の季語である。

さなトラ 藤野早苗

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by sacfa2018 | 2018-07-25 00:12 | 子育て | Comments(0)

不登校当事者に伴走するボランティア「咲くふぁ福岡」です。当事者の話す会「アガパンサスカフェ」もやってます。


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