「育む」   

猛暑。ベランダの草木もかわいそうなことになっている。

マンション暮らしの味気無さをなんとかしたいと、薔薇を咲かせ始めたのは九年前。香りのよいオールドローズ系を集めている。


冬、休眠期に土換えをし、切り戻すと、二月の終わりには新芽が出て、暖かくなるにつれて花芽が付く。芽はぐいぐい伸びて、五月にはそれぞれに香りの良い花を咲かせてくれる。咲ききるちょっと手前で切り花にする。木に負担をかけないためだ。一番花が終わると施肥をする。四季咲きはその後いくどか健気に開き、秋咲きは時期を待つ。梅雨の長雨で病気に罹らないよう注意するのも大事なことだ。


しかし、ここ最近の猛暑にやられた薔薇がある。地植えであっても梢先にまで十分に水が行きわたらないのに、鉢の中の水分などはすぐ干上がってしまう。けれど、乾いているからといって、迂闊に真昼間に水をやろうものなら、根っこが煮える。夏の凶器(狂気)のような日が落ちるまで、薔薇にはひたすら耐えてもらうしかないのである。


えらそうなことを書いたが、私は植物を育てるのが苦手である。木が、花が、今何をしてほしいのか、察するのが苦手なのだと思う。そして勝手に「こうするべき」と思い込んだら衝動的に行動してしまう。もしうちの薔薇にならなかったら、もっと大きく育って、もっと美しい大輪の花をたくさん咲かせられたかもしれない。夏の暑さ、冬の寒さ、梅雨の長雨にも枯れてしまうことがなかったかもしれない。


「育む」って難しい。胸のどこか片隅に、いつもきりりと刺すような痛みを感じている。

   さなトラ  藤野早苗

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by sacfa2018 | 2018-07-20 00:30 | 子育て | Comments(0)

不登校問題当事者であった経験からその時のこと、またこれからのことを日々綴っていきたいと思います。


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