(本当の)和装の理由

日常、特に外出する際は着物を着る。その理由については、こちらに書いたことがある。

でも、本当はちょっと違うかも。

着物を着はじめたのは娘が不登校になってから1年が過ぎた頃。娘がイギリスへ短期留学していた時に、ぽっかり空いた時間で着付けの練習をしたのだった。絹の質感が思いのほか気持ち良かったこと、コスパに優れていること、身体に優しいこと…、いいことずくめだったのでどっぷり着物沼にはまってしまったのだが、実はそれいじょうに着物は私の護符のようなものなのだ。

娘が不登校になる前、私は本当に嫌な人間だった(じゃ、今は?と言われると困るけど)。娘のことを考えるふりをして、自立を妨げる毒母だった。娘の成功が自分の成功のような気になって、娘の気持ちも考えず負荷をかけた。最短で最速、そんな道を選んで生きていくのがいいと思っていた。その結果が、不登校。

娘をイギリスに送り出した時、やっと子離れの一歩が踏み出せたような気がした。娘が勇気を出してイギリスに行ったのだから、私も変わらなければ、と思った。そのタイミングで出会ったのが和装。留学を終えて帰国した娘を羽田に迎えに行った時も着物。娘は面食らっていた。

娘を苦しめた頃の自分と訣別できているのか、と言われると、自信がない。あの頃の自分は、とても小さくなって、なりを潜めてはいるけれど、何かのきっかけでまたムクムク鎌首をもたげてこないとも限らない。

着物の下前に上前を重ねて、帯を締める。私の中の「あの頃の私」を封じ込めるように。多分、これが本当の和装の理由なのだ。

さなトラ 藤野早苗

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宮古上布とパナマの草履。
暑い!

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by sacfa2018 | 2018-07-16 00:30 | 不登校 | Comments(0)

不登校問題当事者であった経験からその時のこと、またこれからのことを日々綴っていきたいと思います。


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