過ごした時間
2018年 07月 10日
我を忘れるほど楽しんでいたのに、「もうすぐこれは終わる」と気づいた瞬間からもう何も楽しくない。
終わった後の寂しさ、つまらなさを前倒しして感じてしまうのだった。
だから、楽しいことのラスト部分は、すでに楽しくない時間となってしまい、物悲しい気分に覆われてすっかり気落ちしてしまうという、側から見たら妙な子どもであった。
それはけっこう大人になっても続いていたのだが、ある時ふと、実にもったいないことではないかと思い至った。
どっちにしたって終われば寂しい。
それなら楽しい時間は目一杯最後まで楽しめばいいじゃないか。
無理矢理自分にそう言い聞かせていたら、いつのまにか最後まで楽しむことができるようになっていた。
そして、気がつけば終わった寂しさの感じ方が変わっていた。
楽しみにしていたことが終わってしまった寂しさよりも、楽しかったことを思い出してかみしめる時間が増えた。
自分の過ごした時間を愛おしむことができるようになった。
今は、小さな「楽しみなこと」をたくさん設定して、過ごすようにしている。