「やけ弁」-やけに弁の立つ弁護士が学校でほえる

「やけ弁」をご存じだろうか。

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画像、お借りしています。

NHKの土曜ドラマ「やけに弁の立つ弁護士が学校でほえる」のことである。大好きな「ぶらタモリ」のあとの番組なので、なんとなく見ていたのだが、回を重ねるうちに、「ひょっとして……」と思うところがあり、だんだん真剣に見るようになってしまった。


主役は、神木隆之介扮する、スクールロイヤー(学校駐在の弁護士)田口。

やけに弁の立つ弁護士だが、法廷経験はない。人格的にややバランスを欠いたようなキャラ設定で、それがストーリーに真実味を与え、奥行きのあるドラマになっている。


この「ややバランスを欠いた」というのがポイントで、「ああ、多分この人、不登校だった設定じゃないかな?」と思っていたら、やはり、先週5月12日の放送分で、その「ひょっとして……」は的中した。


地毛が茶色いから染めてくるように言われ、最初は染めていたものの、アメリカへのホームステイを経験して、その理不尽に気づき、不登校になってしまった生徒の自宅を訪ね、親交を深める田口。順調かと思われた二人の交流も、ちょっとした行き違いで、生徒を追い込み、ひきこもらせてしまう。その時、田口は自身がいじめによる不登校経験者であることを生徒に告げるのだ。


その時の田口の言葉がとてもいい。

「積極的不登校。学校に行かないという選択をした。今の時代、外と繋がる方法はいくらでもある。」

「なぜいじめられた方が転校しなきゃならない?いじめた側を転校させるべきだ。」


どの言葉も深く胸に響く。

不登校という経験をすることで、田口は社会のそこここに存在する理不尽について考えたのだろう。それが、弁護士を志す契機になったのだと思う。


ドラマの中で、初めて自身の不登校経験を語った田口をめぐる空気感が微妙になった時の田口の「不登校だったって言った時の、かわいそうにっていう感じに傷つく」というセリフに共感した。不登校は自分の生き方について考え直す豊かな時間であるはずなのに、だからこそ田口は弁護士になれたのに、不登校という言葉だけが一人歩きして、不幸な方向へとベクトルを伸ばしてしまっている。


わが家の娘も積極的不登校。あの時、学校に行かせ続けていたら、今はなかった。学校は将来を開く一助としてあるべきものなのに、現況下では、「行くためのもの」になってしまって、その先にある未来が見えない。この皮肉な現実を直視していただきたいと思う。


そしてもう一つ。

この田口が、田辺誠一扮する熱血教師に放った一言が秀逸。

「もう、先生のやりかたでは生徒は救えません。」

そして、その言葉のあと、ドラマは、女生徒が校舎から投身自殺(おそらく未遂)する場面で終わるのであった。

なんだかこころがひりつく。

大団円では終わらないんだろうなあ。あー、気になる。来週、絶対見ようっと。


   さなトラ  藤野早苗





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by sacfa2018 | 2018-05-14 04:01 | 不登校 | Comments(0)

不登校問題当事者であった経験からその時のこと、またこれからのことを日々綴っていきたいと思います。


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